二千十六年二月

でたらめに進むと、あみじゃがみたいなフェンスのところに出る。じとじととしていて、あみじゃがはとっくの昔に湿気ってしまっているように見える。

暗がりで寝ころがって携帯電話をいじる時のような腕の痺れ。そしてだるみ。
足下には使い捨てコンタクトレンズがかぴかぴになったのがたくさん転がっていて、歩くたびにパリパリと潰れた。昔から好きじゃなかったし、どうでも良かったのかもしれないけど、この音をきくと何だかやっぱり心の底では喜んでいることに気づく。それはやっぱりくやしいことではあったが、コルク栓のように軽くて固い。貝の柔らか煮のような風情でもある。この風情ということばがやっかいで、ここいらの人間たちはそれに何回も騙されているのだ。そうしてぐずぐすと煮崩れてゆく胴体の中でも、心臓はほかほかと湯気をたてているのを無視しているのだ。

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